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夏休みが始まった。
今日もバスケ部の朝練が始まる。
だが、早朝なのはラッキーだ。
昼の時間帯だと、少し動くだけで汗が出て止まらない。
「今日も暑くなりそうだなぁ。」
海斗は青い空を見上げた。
うるさく鳴く蝉の声に、頭までやられそうだ。
「野郎ども、始めるぞ。」
北山の大きな声が体育館に響いた。
ストレッチの後、フットワークやコートを使用したダッシュで汗をかく。
体が動くようになると、次はパス練習だ。
海斗と蓮はいつものように、二人で組んで練習を始める。
中学から始めて、もう、どのくらい二人でパスを出し合ったか分からない程だ。
ボールは何度も何度も二人の間を行き来した。それが当たり前であるように。
ツーメンランニングやフォーメンランニングの練習を終えると北山は休憩を取った。
「15分の休憩だ。水分補給、忘れんなよ。」
「ウス」
皆、びっしょりと汗をかいていた。
「あちぃ~。」
東と真田は着ていたシャツを脱いで、タオルで拭いている。
「海斗、顔を洗いに行こうぜ。」
「そうだな。」
海斗と蓮は、外にある水道へ向かった。
6つ蛇口が備えられた水道の水は、最初は生ぬるかったが、徐々に冷たくなっていった。
二人して、バシャバシャと洗う。
校庭では野球部が朝練を始めていて、カキーンとバットで球を打つ音が等間隔で聞こえてきた。
「頑張ってるねぇ。」
「あぁ、うん。明日、試合があるらしいよ。立花が言ってた。」
蓮が、ん?という顔をした。
「立花?」
「あぁ、同じクラスのやつだよ。」
海斗は、フーと言いながらタオルで顔を拭いている。
「・・・」
蓮は蛇口を海斗へ向けると、手を当てて思っいきり水栓を回した。
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