151人が本棚に入れています
本棚に追加
結局、この家は俺を“家族”として、迎えてくれる場所じゃない事を改めて思い知った。
「なに、今更じゃないだろう?」
蓮は震える声で一人言う。
最初っから、望んでねぇよ!
望んで・・・
蓮は両腕で自分自身を抱き締めた。
海斗の顔が浮かんだ。
・・・愛してる・・・
いつかの言葉が蘇った。
“言わなきゃ、わかんねーだろうが。俺はお前の最高のプレーを見てきたんだ。
どれがベストな状態かわかってる。だから、逆にだ。
調子が悪い時のお前の欠点も、すべてお見通しなんだよっ!分かったらさっさと立て直しやがれ。”
・・・海斗は、分かって・・愛してくれてる・・・
欲しいものは、海斗の愛だけだ。
「うぅ・・・っ・・・は・・」
唇を噛みしめても、嗚咽がもれる。
「海斗・・・・」
両目を手で隠して、蓮は泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!