回想  夏の記憶 Ⅲ

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結局、この家は俺を“家族”として、迎えてくれる場所じゃない事を改めて思い知った。 「なに、今更じゃないだろう?」 蓮は震える声で一人言う。 最初っから、望んでねぇよ! 望んで・・・ 蓮は両腕で自分自身を抱き締めた。 海斗の顔が浮かんだ。 ・・・愛してる・・・ いつかの言葉が蘇った。 “言わなきゃ、わかんねーだろうが。俺はお前の最高のプレーを見てきたんだ。 どれがベストな状態かわかってる。だから、逆にだ。 調子が悪い時のお前の欠点も、すべてお見通しなんだよっ!分かったらさっさと立て直しやがれ。” ・・・海斗は、分かって・・愛してくれてる・・・ 欲しいものは、海斗の愛だけだ。 「うぅ・・・っ・・・は・・」 唇を噛みしめても、嗚咽がもれる。 「海斗・・・・」 両目を手で隠して、蓮は泣いた。
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