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「なんか良いことでもあった~?」
目の前には木藍。
あと遠山さんと汐も集まって美術室に集まっていた。
勿論、木藍の絵の完成のために俺は呼ばれたのだが、その他の二人は何故かいた。
それにしても俺はまだ一度も木藍の描いている絵を見ていなくて本人曰く、完成するまでは見せないのだと話した。
俺以外の二人は普通に見てるのになんとなくズルく感じるわけだ。
「良いことなんかないよ。ホント最近は踏んだり蹴ったりだ」
「嘘だー僕には分かっちゃうんだなぁこれが!好きな人となんかあった?」
「あ!なんや明、好きな人おんの?つか、もしかして前ゆーとった運命がなんちゃら言っとった人?」
「はぁ?なんだよ運命って、てめえ顔に似合わずキショいな」
とりあえず面倒臭い。
そういえば汐にそんなような話をしていたんだった。
忘れてたし蒸し返すな。
「好きな人もいないし運命の話なんてしてない。つか、男同士で恋愛の話なんてそれこそキショい」
「えー僕はその赤い糸的な話、気になるな~」
汐の軽い一言で物凄い興味津々な目を向ける木藍に溜め息が漏れる。
いい絵を描くためインスピレーションとやらを引き出す絶好のチャンスというやつなんだろう。
全くもって不愉快だ。
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