第6章

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気だるい。 頭も痛い。 朝は大丈夫だったんだけどな。 「霜田くんこっち向いて、」 気だるくなって俯き加減になっていた頭をゆっくり上げるとそのデコに当たる何か。 「ひゃぁっ…」 ヒンヤリするそれにびっくりして変な声を出してしまった。 そんな俺の反応を楽しむように笑う道屋さんと目が合う。 「まあ、色々言われたけど…俺は病人にはやっぱり優しくしたいよ」 「……あっ」 目に入ったくちゃくちゃに剥がされた冷えピタの残骸。 ズキリ、と心が痛む。 「それより何か食べる?」 「…えと、あの」 「梅粥とかなら自信あるよ」 気にしていない素振りを見せる道屋さんはキッチンに立つ。 これが道屋さんなのか。 「…ありがとうございます」 「ん?いいよ。俺がしたいからするだけだし」 「全部です。今日のこと全部ありがとうございます」 「…いいよ。お互い様だろ」 少しだけ。 少しだけ道屋さんに俺は近付けたのだろうか。 恋だの愛だの…前世とかそういうのも無しにして、俺はこの人のために何かしたい。 それなら弟と思われようがただの隣人であっても構わない。 一番じゃなくていい。 だってそうだろ? 貴方の側に居られるだけで幸せだったんだ。
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