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「では最後に、カラクリ屋敷です。」
(カラクリ屋敷?)
聞きなれない言葉にシークスは訝しげな視線をフィオン教官にぶつけながらついていく。
「古来この大陸には、ニホンという国があったそうです。その国独自の暗殺部隊、ニンジャ、なるものが自らを鍛え上げるために開発したトラップ施設、と思っていただければ。」
「なるほど、天井から槍が突き出てきたりなどですか。」
「おや、ご存知なのですか?博識ですね。」
「小さいときになにかの文献で見た記憶があるので。」
(ふむ。下らない決まり事に縛られず良いと思ったものを取り込んでいくその姿勢…現状合格点、という所かな。)
シークスは脳内でクリンク戦術学院への批評を決めていく。施設設備、教官の人柄強さ、生徒のスペック諸々を鑑みた結果、現状はシークスから見ると中々優秀な施設らしい。
「ここです。」
そういってたどり着いたのは、明らかにこれまでの施設とは雰囲気が違う施設。これまで見てきたのは無骨なものばかりっだったが、今目の前にあるのはそういった趣の給仕施設と言われても納得できるものだ。
「ここの生徒には一度入り方を説明しているのですが、この施設は少々特殊な開け方をする施設で。」
そういいながらフィオン教官は引き戸に見えるカラクリ屋敷の入口のドアの真横に立つ。
「引き戸ではなく…」
そのままドアにてを当て、フィオン教官が力を込める。すると、そのまま引き戸だと思っていたドアが奥へと倒れ込み、代わりに地面だと思っていたところが浮かび上がってきて、新しいドアとなった。
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