第二章 駆け引き

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「それでは、はじめ!」 バレイド教官の号令と共に、戦いの幕がきっておとされる。 開始と同時に動いたのはフィリー。右手にもっていたナイフをメリッサへ向け投擲する。地面に突き刺したままの武器を軸に、体を半身ずらす事で、メリッサはその投擲を回避する。 甲高い音を立てて壁に突き刺さるナイフ。フィリーは続けざまその場で軽く飛び跳ね、自らのナイフの紐を巻撮り始めた。そのままの勢いでメリッサに向かって飛び蹴りをするフィリー。メリッサはその挙動を見て、地面から武器を抜き出し、ブースターの補助を得て素早く武器についている盾を構える。 自らの攻撃を見抜かれたことを悟ったフィリーは、盾に着地すると、三度その体を宙に預ける。メリッサは体を入れ替え、ブースターを起動し鋭く刃をフィリーの背中に向かって振るうが、服一枚を掠めたところで回避される。 そのまま壁に着地したフィリーは、天井へと向かってナイフを投擲する。その隙に武器を構え直したメリッサは、好機とばかりに武器を構え、フィリーに向かって大上段に武器を振り上げ、切りかかる。 天井にナイフが刺さったことを確かめると、フィリーは再度ナイフの巻取りを発動。天井へと登っていく。その途中でメリッサの攻撃を体を捻って回避すると、壁に刺してあったナイフを巻き取り回収、再度地面にいるメリッサへと投擲。 反応が遅れたメリッサはその場をバックステップすることでナイフを回避。フィリーは天井に刺さったナイフを抜き取り、地上に刺さったナイフの巻き取りを起動。更に天井にあったナイフの巻取りを途中で中断し、弧を描くようにメリッサの頭を狙う。
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