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「そこまで!次の者はいれ!」
バレイド教官の声が響く。シークスは拳銃を片手に、ステージに上がる。
対峙する相手は一本のランスを持っていた。中世の騎士が持っているような槍だ。
試合開始の合図がなる。
男子生徒は槍を持ったまま突進を仕掛けてきた。自らの槍の届く範囲にまで接近すると、腰を使って鋭い一撃を繰り出す。
その一連の様子を、シークスは冷めた目で見つめていた。
(フェイントをかけるでもなく、直上的に一直線に突っ込むだけ。精々ポーンの動きしかできない雑魚だね。)
鋭く突き出される一撃。シークスはその槍に手を添えると、外向きの力を加える。進行方向に横方向のベクトルを加えられた槍は、呆気なくシークスの体の脇にそれる。
「チェックメイト。」
パーン、という音と共に、一つのゴム玉が相手の額にぶつかる。シークスの手にある銃から発射された物だ。
僅かに数秒の攻防。何をされたのか理解が及んでいない男子生徒は、茫然自失とした様子で槍を落とす。
その音を聞くと同時、シークスは黒いコートを翻し、ステージから出ていく。
男子生徒が回復したのは、それから十数秒たってからのことであった。
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