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「シークス君、結構強いんだね。」
ステージから出てきたシークスに声をかけたのはメリッサ。
「いや、あれは相手が弱かっただけだよ。」
無感情にシークスは言い返す。
「いや、でもあの鋭い一撃をさばくだなんて、すごい動体視力だと思うよ?」
「同感。」
メリッサの隣にいたフィリーもその言葉に同意する。
「あんなぶっ飛んだ試合をお披露目したきみたちにはいわれたくないよ。それにあんなの、動体視力の問題じゃない。相手の槍のリーチ、最初の突進の速度、見た目から推測できる相手の大体の筋力、槍を突き出す時の相手の目線。それらすべてを鑑みて、予測しただけのたんなるハッタリ。君たちみたいな人物にはなんの意味もなさない芸当だし。なにより僕自身はただのもやしっ子さ。」
サラッと述べられたシークスの発言に驚愕する二人。そんな二人を尻目に、シークスは彼女たちの隣に椅子を下ろす。
「…ま、まあいいや。あ、ところでシークス君。」
「ん?」
「シークス君はなんでいっつもフードを被っているの?」
「それは私も気になる。」
メリッサと、メリッサの首に腕を回し、肩に顎を載せながらこちらを見つめてくるフィリー。二人の興味の視線にさらされたシークスは、だが、その二人の話を無視して、あるひとつのモニターへと目を向けた。
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