第二章 駆け引き

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「なあフィリー。あそこにうつってる、180cmぐらいの、二丁拳銃を構えてる金髪の男は誰?」 ただ今絶賛メリッサの胸を揉みしだいているフィリーに疑問を投げる。純朴な16歳の青少年であるシークスは、その光景を見て思わず揉ませてくれと懇願しそうになったが、腰に冷たく鋭い何かを押し付けられて口を閉ざさざるを得なくなった。 「んーと、あれはバックス。どしたの?」 水面下で行われた攻防を知ってか知らずか、より激しく胸を揉み始めたフィリーは、メリッサに手の甲を思い切り抓られる。 「いひゃい…」 涙目で手を放すフィリーに、シークスは先ほどの質問への答えを返す。 「いや、この前…というか昨日、寮ででぶつかっちゃって…その時、とても鍛えられてる肉体だって感じてね。それで。」 つい先程まで、セクハラを受けながら他人に殺気をまき散らすというある種の高等技術を披露したメリッサも、彼らの話に割り込んで来る。 「ああ、確かに彼は強いわよ。このクラスでは3番手4番手ぐらいかしら。まあこのクラス、10番手ぐらいからしたはぶっちゃけどんぐりの背比べ状態なんだけれども。」 「強い…ってことは、二丁拳銃にも意味があるのかな?」 「ん。私みたいに攻撃の手数が増えるっていう単純な目的もあるだろうけれど、それよりももっと深い理由があるよ。二丁拳銃だからこそできること。」 意地の悪い笑みを見せるメリッサとフィリーからはこれ以上の情報を得られないと判断すると、再度シークスは画面の中へと視線を戻した。
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