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「はああああああ!!!」
怒声をあげ、盾を構え突進してくる男子生徒。
バックスは慎重に相手の盾に右に構えた銃で発砲する。
だが…
「そんな軽い一撃じゃ俺はとまらないぞ!」
カァン、という甲高い金属音を鳴らしながら、バックスの放った銃弾は悉く盾に弾かれて終わる。
「とった!」
男子生徒は自分の間合いに入ると、盾の尖っている部分を振り上げ、バックスの脳天に落とそうとする。
その時、バックスは左手の拳銃を構え、発砲した。
・・・・・
先程の発砲とは段違いの音を発しながらまっすぐ盾の内側にねじ込まれた弾丸は、その威力を落とすことなく男子生徒から盾を弾き飛ばす。
膝をつき、肩を抑えている男子生徒の前に悠然とたったバックスは、男子生徒の頭に銃を突きつけた。
一連の流れを見ていたシークスは呟く。
「なるほど、あれを見る限り、どうやら右手の拳銃は牽制で、左の拳銃がメインみたいだね。確かにあれじゃすぐには対応できない。」
ギリギリ…
「そういうこと。私だってあれは苦労するもの。しかも彼、体術も強いし」
ギリギリ…
「遠近両方ともできるのか。それは強い。」
ギリギリ…
「ぎぶ。ぎぶ。」
ギリギリ…
「…さすがに放してあげたらどうかな。」
シークスの眼前には、腕ひしぎをきめられているフィリーの姿があった。
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