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「えっと…僕でいいの?」
自分に声がかけられるとは想像していなかったシークスは、驚きのあまり無表情で答える。
「だから、このクラスはほっとんどどんぐりの背比べだっていったでしょ?そんなのと組むぐらいだったらシークス君と組んだ方が断然いいわよ。」
(それに、噂の軍師の片鱗が見れるかも知れないし)
殆どシークスが<軍師>であるということは確信を持っているメリッサであるが、いい機会なので自分もその指揮を実感してみたいと思っているのであった。
「その話、俺ものせてくれねえか?」
後ろから男性の声が聞こえる。
シークスがばっと後ろを振り向くと、そこにはつい先程戦いを繰り広げていたバックスの姿があった。
「やっほーバックス。」
「なんだ、またフィリーはメリッサの胸をももうとしてんのか」
バッとメリッサが後ろを向くと、そこには両手を胸の形にしたフィリーが、今にも襲いかかろうとしている姿が見えた。
「む、バックスばらした。」
「わりぃわりぃ、怒んなってフィリー。」
クククと笑いながら、バックスはポン、とシークスの頭に手を置いた。
「よっすちび助。さっきも言ったが、お前らに俺も混ぜて欲しいんだが?」
「ちび助って言われるほどちびなつもりはないんだけれど。というかその件は僕じゃなくてメリッサにいってくれないかな?僕は今どうやってメリッサのむ…いや、なんでもないよ。」
シークスの腰に鈍く光る何かが突きつけられているのはきのせいではないだろう。
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