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「あら、ごめんなさい。ひとりでチェスを始めたものだから物珍しくてつい。」
「ふーん…そう。わかった。」
「あ、私はメリッサ。メリッサ・クリーズナル。よろしくね?」
「うん。よろしく」
(…<軍師>かどうかは置いておいて、仲良くしようとおもったのだけれど…)
早くもメリッサの<転入生と仲良くしよう!>大作戦は座礁仕掛けていた。
(いや…私一人じゃダメでも、複数人となら…!)
「そうだ!フィリーも自己紹介しなよ!」
「フィリー・ピー。猫の獣人。宜しく。」
「宜しく」
メリッサの頭、三度机へとしずむこととなる。
会話・終了。
僅か二秒の出来事である。彼女の<複数人で転入生と仲良くしよう!>大作戦は出航する前に沈没、海の藻屑と化した。
「ちなみに趣味はメリッサにセクハラする事」
「ぶっふぅ!?い、いきなり何言い出してるのフィリー!?」
メリッサが吹き出す音と、シークスチェスの駒を取り落とすのは同時だった。
「……それ、ホント?」
「ホント」
フィリーの言葉を聞くと同時、ぐるりとメリッサの方を向いたシークスは一言。
「揉んでいい?胸」
「いいわけあるかー!!」
スパーンと、こぎみよい制裁の音が、学校中に鳴り響いた。
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