第一章 始動

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「あら、ごめんなさい。ひとりでチェスを始めたものだから物珍しくてつい。」 「ふーん…そう。わかった。」 「あ、私はメリッサ。メリッサ・クリーズナル。よろしくね?」 「うん。よろしく」 (…<軍師>かどうかは置いておいて、仲良くしようとおもったのだけれど…) 早くもメリッサの<転入生と仲良くしよう!>大作戦は座礁仕掛けていた。 (いや…私一人じゃダメでも、複数人となら…!) 「そうだ!フィリーも自己紹介しなよ!」 「フィリー・ピー。猫の獣人。宜しく。」 「宜しく」 メリッサの頭、三度机へとしずむこととなる。 会話・終了。 僅か二秒の出来事である。彼女の<複数人で転入生と仲良くしよう!>大作戦は出航する前に沈没、海の藻屑と化した。 「ちなみに趣味はメリッサにセクハラする事」 「ぶっふぅ!?い、いきなり何言い出してるのフィリー!?」 メリッサが吹き出す音と、シークスチェスの駒を取り落とすのは同時だった。 「……それ、ホント?」 「ホント」 フィリーの言葉を聞くと同時、ぐるりとメリッサの方を向いたシークスは一言。 「揉んでいい?胸」 「いいわけあるかー!!」 スパーンと、こぎみよい制裁の音が、学校中に鳴り響いた。
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