第1章   私の妄想

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そんな私であるが、もう二つばかり 正直に告げておいた方がいいこと、 いや告げておかなければならないことがある。 一つは、私のたわいもない妄想のことである。 笑わないで聞いてほしい。 私は一人っ子だったらよかったのに、 と何度思ったことがあっただろうかということである。 そんなことはあり得ないことなのだけれども、 そうだったらよかったのに、 もしそうだったらどういうふうになっていたんだろう という想像を私は何度もしたことがあるのだ。 話していて少し虚しくなってくるけれど、 それは事実だからしようがない。
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