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家から歩いていける距離にある、大型ショッピングモールに足を伸ばした。
正面の入口ではなく、あまり使われていない裏口から入る。
頼まれた食材を買い終わり、ショッピングモールを出たときには、空は薄暗くなっていた。
自然と歩調が早くなる。
慣れた道のうえに、行きがけには見かけなかった黒いワンボックスカーを見つけた。
ふだんは、車のなかに誰が乗っているかなんて気に留めない。
助手席に、樋口が乗ってさえいなければ、車のなかを凝視したりなんかしなかった。
そして、樋口が男とキスなんかしなければ。
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