1、森高くんの話

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 土下座でもして、謝り倒せ。  てか、なんで僕に「どうしよう」なんて訊くんだ。  どうしようもないだろ。  若林の焦りはよく伝わってくる。  とはいえ、自業自得としか言えない。 「……なあ、森高くん、お金貸してくれないか」  は? 「中絶費用。俺、そんなにお金持ってないんだ。お願いだ、高校行ったらバイトして絶対に返すから。頼む!」  おいおいおいおい、突っ込みたいことだらけだ。  まず、なんで僕がお金を持っていると思うんだ?  この状況で当たり前のように「高校に行く」ことを考えられるのか。
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