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キスしているとき、なんとなく瞼を開けたくなる。
目の前のこの人は、いったいどんな顔でキスをしているんだろうって気になるから。
瞼を開けて見えたのは、大きな鼻。
それがなぜか気持ち悪く見えて、思わず視線をフロントガラスの向こうに動かした。
黒いパーカーを着た、森高くんが立っていた。
クラスメイトだ。
驚いたようにこっちを見ている。
私は瞼を閉じた。
「クラスメイトが見ているから止めて」
と言ったとしても、この男は止めないだろう。
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