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確かに見たはずだ。
だけど、すぐにまた瞼を閉じた。
動揺なんか皆無だ。
「お前なんかに興味ない」って、言葉で言われるよりもはっきりしていた。
僕は言い返したくなった。
「こっちだって、お前なんかに興味ない」って。
だけど、無理だ。
すべてが一方的だ。
僕にいっさいの主張を許さない。
男の手が、彼女の白い頬から黒髪に伸び、ぐちゃぐちゃに撫で回している。
自然とその手が胸の膨らみを捉えたとき、僕はやっと、ワンボックスに背中を向けた。
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