1、森高くんの話

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「森高くんのこと好きな女子、けっこういるってよ。俺の彼女が言ってた」 「俺の彼女」を強調するな。  いい加減うんざりしてくる。  僕は若林の腕を払った。  掃除時間は、若林のわけのわからないアドバイス&説教で終わった。 「じゃ、俺、彼女と帰るから」  若林、ほんと、報告いらん。  僕は手を振り、若林のにやにや顔がドアに向いたときに「しっし」と手を振りなおした。  なんとなくすぐに立ち上がる気になれなくて、机の上に置いた鞄に両腕を置いた。  ぼんやりしていると、近くの席の会話が聞こえてきた。
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