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辰巳さんは優しく微笑むと、そっと私を抱きしめた。
安心させてくれるように、優しく。
「社長じゃなくて、副社長か取締役員にって、話しだよ。」
「・・・・・。」
「社長より、格下の役職。」
「なるの?」
「ならない。俺は上にいるより、チームで働く方が好きだからな。」
「そっか・・・・。」
「もっと早く聞いたりしてくれれば、早とちりしなかったのにな。」
「あ、ちょっと笑ってる。桜みたいに大笑いしないでよ?」
「しないよ。でも、可愛いな。」
「もう、すぐそう言ってごまかすんだから。」
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