第1話 彼が会社を辞めたい理由

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「待ってろよ、良くしてやるから」 「ッ…………」 比呂斗のキラリと光る瞳と、その舌にグッとやられて俺は諦めて頭をベッドに沈めた。 まあ、いいか。 予定とはだいぶ違ったけれど、俺はこれからも比呂斗の傍にいられるみたいだ。 「んッ…………くぅっ……」 一生出すことのないと思っていた、恥ずかしい声に俺は身を捩らす。 「顔、隠すなよ」 容赦なく顎を掴む比呂斗に見下ろされ、羞恥で涙が滲むと…………これもありか、なんて気になってくるから不思議だ。 それに、このまま傍にいられるのなら…………俺の腕前はこれから見せつけてやればいいしな。 俺はまだ信じられない気持ちのまま、それでも比呂斗が俺のために動いてくれるから、力を抜いてされるままになった。 もう、どうにでもなれ、だ。
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