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『今夜、いらしていただけますか?』
マスターからメールが入った。
思わず笑みがこぼれ。
亜紀は『はい』とだけ打ってすぐ送信した。
7時半、『蜃気楼』はまだ混む時間ではない。
亜紀は急いで着替えをして家を出た。
いつもの通りを早歩きでいく。
見なれた街並みが輝いていた。
人いきれが嬉しい。
縫うように亜紀は進む。
顔を上げると夜空には1/4だけ光る月。
あばたが映らず綺麗な姿をしている。
妖しさが弱い。
淫蕩な雰囲気がなく。
どこか物足りない。
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