第7話 妖しい宴

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『蜃気楼』の立て看板の向こうに三日月があった。 下弦のスリムな姿は悪戯(いたずら)好きな 幽霊にお似合い。 (今夜は幽霊に会えるかな・・・) 亜紀は妙に陽気な気分だった。 厚い木製のドアを引くと店内は満員に近かった。 亜紀は開いている場所を探そうと首を伸ばした。 するとそばまできていたマスターが。 「あそこの席へどうぞ」 と手で示して亜紀を案内した。 そこはちょうど真ん中のスツールだった。 右も左も男性が三人ずつ並んでいる。
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