第7話 妖しい宴

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ビールはいつも目の前にある冷蔵庫から取り出すのだが、 厨房を仕切る暖簾の向こうへマスターが消えた。 店内には『レフト・アローン』がかかっている。 マスターお気に入りのBGM。 静かな曲で亜紀も好きだった。 マスターはいつでもボリュームを抑えて流す。 そのせいか客たちの話声もトーンが低く静かだ。 スツールに腰を上げるときに 左右の男性の視線が亜紀をとらえた。 年齢はどちらも30代ぐらい。
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