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俺は、さっき着た黒いコートを羽織る。
「さて、行きますか。」
物陰から様子を伺う。
魔物は7体、全部ブラックウルフだ。
そして、もう一方は俺と同じ位の少年だった。
少年は、テンプレ通りに魔盲か。
その少年は既に全て諦めたように目を閉じている。
ブラックウルフが地面を蹴った瞬間、
俺は、魔物の前に踊り出た。
~魔盲の少年side~
僕は、結構、位の高い貴族に生まれたらしい。
まぁ、僕には関係無いけど…。
僕には魔力が生まれつき無かった。
それが、判ったのは五歳の魔力検査の時だった。
その時から、僕は暗い牢のような場所に閉じ込められた。
それでも、最初の一年間はまだ、ましだった。
母が庇ってくれていたから。
でも、身体が弱かった母は僕が6歳の時、病気で命を失った。
それからは、どんどん状況は悪くなる一方だった。
食事は、1日1回出てくればまし。
双子の妹やその友達に魔法の的にも使われた。
勿論、誰も手当てなんてしてくれない。
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