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ガチャッ
部屋のドアが開く。
「おう。起きたか。もう、食えるか?」
入ってきたのは、思ってたよりも凄い若い、僕位の少年だった。
僕とそんなに変わらない位の年齢なのに、あんなに強いなんて…。
僕ってホント落ちこぼれなんだな…。
なんで・・・なんで僕だけ・・・
黒い感情が渦を巻く。
「おい。大丈夫か?」
「何で?何でなの?ボソッ」
「は?」
「何で、何で僕をたすけたんだよ!?」
「何でって…」
「君が、助けさえしなければ、僕はあそこで、死ねたんだ!!死ぬ勇気が無い僕に折角死ぬチャンスが来たのに、君は、君は、…?!」
気付いたら、僕は目の前の少年に殴られていた。
「死ぬ勇気が無いだって?この世の中にはな、死にたく無くても死んじまったた人が数えきれない程いんだよ!!
なのに、自ら命を捨てる?そんなの論外だろ!?
そんな事・・・言うなよ…。」
不思議だった。
殴られたのは、僕だけど、僕よりずっとつらそうで泣きそうな声だった。
「…急に殴って悪かった。でも、これだけは覚えておけ。自分の命は粗末にするな。」
「うぅ…。でも、僕は、魔力が無い、落ちこぼれなんだ…。誰にも必要とされない、って結構辛いんだよ?…。存在して良いのかさえ分からなくなる…。
強い君にはわからないだろうけど…
。」
そうだ・・・力のある君にはわかるはず無いよ・・・。元から恵まれてる人なんだから・・・。
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