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「本気で言ってるんですかッ!」
「当たり前だろッ、さっさとやれよッ!」
「こんなこと出来るわけないじゃないですかッ!」
「他人ができねぇことをやらなくてどうすんだよッ、さっさと行けッ!」
バシッと書類を叩きつけた比呂斗をキッと睨みつける。
上背のある俺を下から睨み返す比呂斗。
お互い一歩も負けてはいない。
しかし、社長である比呂斗の方に分があるのは必然。
俺はこれ見よがしに顎をグイッと上げながらその書類を拾い、無言のまま社長室を出た。
社長室に隣接した秘書室では第二秘書、つまり言わば俺のアシスタントの八木が心配そうに立ち上がった。
「また派手にやりましたね」
「……すまん」
八木は微笑んで小さな肩をすくめた。
茶色い髪が肩の上でふんわりと揺れる。
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