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何とか頭を切り替え、事業部長を捕まえて打ち合わせをし、戻って来た頃にはもう夕方になっていた。
慌てて社長秘書室に駆け込めば…………、
「うッ、嘘だろッ…………」
…………俺のデスクが消えていた。
これは…………これは俺に辞めろということなのか。
辞表を取り下げたのに、比呂斗の方から切られるのか。
やっぱり、自分のことを好きな男なんて傍に置きたくなくなったのか。
それとも、さっきの言い合いが心底頭に来たのか…………。
グルグル回る考えに茫然と突っ立っていると、社長室の分厚いマホガニーの扉が開いた。
「あっ、お帰りなさい」
八木が慌てて顔を出す。
「八木くん、俺の…………」
「お前のデスクは今からこっちだ」
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