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「キアプロ楽しーっ」
なにを思ったのか、早紀ちゃんが急に声を上げた。
「そうだね」
まるで語尾に星が付きそうな言い方だったのに、真田さんは特に突っ込むわけではなく、優しい笑顔で答える。
今、『Chiara』のプロジェクト、略してキアプロの今後の予定についての打ち合わせ中。
もちろん命名したのも使ってるのも彼女だけ。
15時を過ぎたフロアは、外出している人が多く10人ほど。
閑散としているから、早紀ちゃんのキャイキャイした声はよく響く。
「早紀ちゃん」
人差し指を唇に当てると、早紀ちゃんはすみませーんと可愛く謝った。
別行動していた日の報告をし合っているけど、なんだか頭にすっと入ってこなくて、ペンの頭でこめかみを叩く。
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