122人が本棚に入れています
本棚に追加
ねぇ、真田さん。
どうして、私の絵がこっちだってわかったの?
どうして、そんな目で理奈ちゃんの絵を見ているの?
そんな懐かしむような、慈しむような目で。
私の視線に気付いたのか、真田さんはハッとしたような顔をすると、
「やっぱり、ちょっと暗いね」
誤魔化すように、そう笑う。
「やっぱりブレーカー上げましょうか。ちょっといってきますね」
「ううん、俺が行くから。水野さんはここにいて」
「……じゃあ、お願います」
リビングから出て行く背中に、胸が音を立てて軋む。
最初のコメントを投稿しよう!