full moon

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 ローテーブルの足にもたれさすように、置かれている黒の鞄が視界に映る。  今日のラフな格好には、どう見ても不釣り合いなビジネス用の鞄。  チャックは、まるで調べて欲しいと言わんばかりに開いている。  どうして、今日こんな鞄を持ってきたの。  どうして、こんな無茶なお願いに、何も聞かずに付いて来てくれたの。  どうして、まるで気付かせるみたいに、私を導こうとするみたいに、そんなヒントを残すようなことばかりするの。  その答えは、きっとこの中にある。    だから、彼はこれを置いて、私を一人にした。
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