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「これ……」
鞄の中には、一冊の分厚い本みたいなものしか、入っていなかった。
確信を持って探ったのに、それは想像もしていなかったもので、ページを捲った瞬間、息を飲んだ。
目に飛び込んできたのは、丸みを帯びた懐かしい文字。
そして、何度も出てくる私の名前。
先を捲る指が震える。
字を追い掛ける目が震える。
真田さんが持っていたもの。
それは、理奈ちゃんの日記だった。
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