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『１１月８日
忘れ物をしてしまって取りに戻ったら、まだ残ってたみたいで直哉先輩がいた。
少しだけだけど、二人で話した。直哉先輩は近くの高校に通う２年生だってことがわかった。二つ上。
同じ高校に、彼女とかいるのかな。
あんなにかっこいいんだもん。きっといるよね……。
少し遅くなったからお父さんに怒られてしまったけど、忘れ物して良かった。
来週こそは自分から話しかけたいな。』
『１２月３日
急に志望校を変えた私に、理沙ちゃんはすごいビックリしてた。
デザイン科があるからって言ったけど、本当は直哉先輩の学校だから。
理沙ちゃんも同じ所行くって言い出したから、理沙ちゃんの成績では無理だよって必死に説得した。
ちょっと怒ってたけど、納得してくれて良かった。
理沙ちゃんとは同じところに行きたくない。あの高校に来てほしくない。
元気いっぱいで、誰とでも仲良くなれる理沙ちゃん。
絶対比べられるもん。
それに、もし理沙ちゃんも直哉先輩を好きになってしまったら、どうしていいかわからない。
同じ顔の理沙ちゃんと私。
直哉先輩がもしどっちかを選ぶとしたら、絶対理沙ちゃんだから。
私って最低。本当に本当に最低。』
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