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あの日、いつもは私が一番朝遅いのに、リビングには誰もいなかった。
もう昼前だったから、不思議に思って、二人の部屋に行った。
先に理奈ちゃんの部屋。覗いたらまだ寝てるみたいだったから、その次にお父さんの部屋。
書斎兼の部屋のベッドはもぬけの殻で、キレイに片付けられた書斎机に手紙だけが残されていた。
その手紙を見て、私は急いで理奈ちゃんを起こしにいった。
「俺達さ、お父さんのことばかりに気を取られて、君のことすっかり忘れてたんだよね。全て終わらせた後に、君を思い出したんだ。
とりあえず汚れた服を着替えさせて、ベッドに寝かせた。だけど、どれだけ証拠を消したとしても、君の記憶までなかったことには出来ない。
だから、君が起きたら、理奈が説得することになってた。君はあそこまでしか見てないから、理奈が自分を助ける為に、お父さんを殺してしまったと思うだろうからね。……君を丸め込む自信はあった」
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