263人が本棚に入れています
本棚に追加
唇をぎゅっと噛み締めた。
フローリングの床の木目が、滲んで歪む。
15歳の。
16歳になる目前のとても寒い日。
凍てつくような夜の中、理奈ちゃんはたった一人でいなくなった。
遺書は残されていなくて、一緒に住んでた親戚の人も何も知らなくて、私も何も知らなくて。
私が知りたいと強く望んでいた、理奈ちゃんの自殺の理由。
それは、この日のことが原因だった。
強くて、強過ぎた、歪(ひず)んだ愛情のその先。
ぎゅっと強く、日記を抱き締めた。
最初のコメントを投稿しよう!