full moon

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「ねぇ、覚えてる?」 「なにをですか……?」 「加藤さんと三人で話してた時のこと。 俺がうちに転職した理由」 「……覚えてます」  本当は、ずっと心に引っ掛かっていたから。 「あれはね、水野さん。君のことだよ」 「え……?」  顔を上げると、真田さんは私を静かな目で見つめ返した。 「俺はどうしても君に会いたかった」 「どうして……どうして、私に……?」  真田さんは肩を竦める。
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