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「それに、あなただったら、いつだって呼び出せたじゃない! 私のこと助けるばっかりで、今まで殺そうとなんてしなかったじゃない!
それなのに……っ、それなのに、なんで今そんなこと言うの……!?」
泣き叫ぶように言って、彼を睨み付けた。
少し、ほんの少しでいい。
彼の本心が見たい。知りたい。
私の気持ちに気付いてて、こんな風にする彼の本心を。
まるで、わざと嫌わせるかのような態度を取る、彼の本当の気持ちを。
真田さんは今日初めて、逡巡するような目を見せた。
「今日だって、なんで付いてきてくれたの。
日記だって……日記も、なんでわざわざ持ってきたの。
なんで……なんで私に本当のこと、教えたの……」
もう十分だから。
もうちゃんとわかったから。
もうあなたを、好きだなんて思わないから。
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