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それで、俺は嫌がる理奈を無理やり連れて帰った。
帰らせたものの、もう既に門限は大分過ぎていたから、怒られないか心配で、なかなか帰れなかった。
たぶん10分くらいはいたんじゃないかな。
まぁでも、ここにずっといてもしょうがないから帰ろうとした。その時、叫び声がしたんだ。理奈の大きな泣き叫ぶような声。
いや、今思うと、理奈じゃなくて、君のだったかもしれないね。
その尋常じゃない叫び声に、俺は急いで君たちの家に入った。
家の中は真っ暗で、一部屋だけ、二階のドアが開けっ放しになった部屋から明かりが漏れてた。
その部屋に入ったら、理奈が半分に割れた花瓶を持って立ち尽くしてた。
理奈の足元にはお父さんが血まみれでうつ伏せに倒れていて、その下には、写真でしか見たことのなかった、理奈にそっくりな君がいた。
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