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すごい驚いた。いや、驚いたなんかじゃ済まないくらい……衝撃だった。
だけど、一目で何があったのかはわかった。
すごい混乱したよ。本当に。……でも、理奈を殺人犯にする訳にはいかない。ただ、それだけが頭をいっぱいにさせた。
だから、ここから逃げようって思った。
理奈を連れて逃げないとって。
逃げたところで、どうにもならないのはわかっていたけど、それでもここにいる訳にはいかなかったから。
理奈を殺人犯にはしたくなかった。
それで、引きずるように理奈を部屋から連れ出して、階段を降りようとした時、理奈を呼ぶ声がして……お父さんがいた。
その時は死んでなかったんだ。
血まみれでふらふらしてて、まるで死人が蘇ったみたいな姿に、パニックになった。急いで階段を降りようとしたけど、理奈が動かなくて、すぐに追い付かれた。
……夢中だった。お父さんが理奈を掴んだから。お父さんの目が尋常じゃないくらい血走っていたから。
理奈を守らないとって。理奈が殺されるって。
それで、揉み合ってるうちに……君達のお父さんは階段から落ちた。
俺が……押したんだ」
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