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現場である赤い屋根のアパートは、近鉄奈良線布施駅と今里駅の、どちらかと言うと今里寄りにあった。
屋根の赤色は、電車内からもよく目立っていて、すぐ気付く。
その一階の一番左はしの一室の、ドアを開けた、ダイニングキッチンの中央辺り、テーブルの足元に、そこの住人、羅地カセ子は無言で横たわっていた。
それを、しゃがんで眺めているのは
大阪府警かわち花園署刑事第1課、山神刑事であった。
山神大二郎。今年、54歳。
身長165と小柄ではあるが、年よりはいつも5歳くらいは若く見られる。
ポッコリと出た、おなかはしょうがないが
「これでもな、昔はイケメンさんで、よー持ててんで」
と本人が豪語するように、今でも見た目様子は、そう悪くない。
とはいえ、
頭にはかなりの、白髪が見えていた山神は
「そろそろ俺もビゲンデビューせなアカンようやな。いや、ここは逆に、茶パツに染めたろかー。
熟年茶パツデカも、1人くらいはおってもエエやろ」
などど、下らないことを同僚に語っていたが、現在の所、茶パツにはチャレンジ
していない。
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