10 報告

4/5
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
それを聞いた皆はあきれかえった。 「手ェ切るで石で、で非定型的縊死じゃ、イシしかあってへんやないですか」 矢永刑事が代表して突っ込みを入れた。 山神刑事は目を開け 「言葉の雰囲気やがな。 雰囲気。 手ェ切るで石でを何回も 頭の中で繰返してたら、段々、 非定型的縊死になって行った。 それに、川子ちゃんが自殺ちゃうかー ってヒントをくれてたしな」 とファ~とアクビをした。 皆は (そうはならんやろ) と、一斉に思った。 「ムッチャ眠い。 外の悪い空気吸ってくるわ」 山神は、よっこらしょと立ち上がると 部屋を出て行った。 署から出ると、信号渋滞の道路を眺めながら、も一度、大きなアクビをした。 その時、前野刑事も出て来た。 「お、川子ちゃん、エエとこ来たな。 ちょっと付き合って欲しいトコ、あんねんけど」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!