不審点

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・不審人物 87年7月22日午後20時30分、 自宅の書斎にいた達昭さんが、「風 船が割れるような音」を聞き、窓を 開けて周囲を確認すると、すぐ側の 道ばたに男が立っていてこちらをじ っと眺めていたという。 達昭さんは警察に連絡、たまたま付 近をパトロールしていた巡査2名が パトカーで周囲を捜索するが、 男は見つからず。 男の特徴は以下の通り。 ・スキンヘッド。 ・暗がりの為定かではないが、  顔つきからして4~50代。 ・服というより、僧衣のような暗い色  の布着を身につけていた。   ・達昭さんを見つめ、ほくそ笑んでいた。 ・どちらかの手に水筒のようなものを 持っていた。達昭さんの証言では、辰 則ちゃんのものに間違いなかったという。   当時、現場である西村家周辺は道路の 舗装が所々で行われており、あらゆる 箇所で通行規制が敷かれていた。 また、街灯の数も他町内に比べ多かった。 そのため、警察官がすぐ近くを逃走してい ると思われる不審者を発見するのは容易な はずであるが、それでも発見できなかった 点については、些か腑に落ちない。 この直後から公子さんは精神に異常をきた し始め、深夜に窓を開けては「辰則が引っ 張られる!」と叫ぶ等の奇行を繰り返して いた。
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