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―――――――…… 本当にふかふかで、柔らかい。そして軽い。 全身が温かくて、このままずっと包まれていたいと思った。 「(……?…包まれて……?)」 自分は布団に触れていただけなのに、と思った瞬間、じゃあなんで全身が温かいんだ、どうして視界が暗いんだ、なぜ自分は目を瞑っているんだ……と、分かれる木の枝のように疑問が繋がって頭に浮かんだ。 そして、いつの間にか閉じていた目をうっすらと開けてみる。 「おはようございます、秋本さん」 差し込む光が眩しくて開ききらない狭い視界を、綺麗な顔が埋めていた。 コーヒーのいい香りが鼻をかすめ、少しずつ頭が正常に働く。ようやく、自分がベッドの中で温かい布団に包まれていることに気付いた秋本は、はっとしたように飛び起きた。 「お、おはよう!?」 「おはようございます。よく寝てましたね」 「い、今何時?」 「7時です。朝の」 木手の言葉に中途半端に開いた口を閉じれずにいると、現実を知らせてくれるかのように、チュンチュンチュン…と、鳥の鳴き声が外から聞こえた。 ベッドの淵に腰かけていた木手は立ち上がると、ポットとカップのみがあるキッチンへ向かう。 「秋本さん、あまりカフェインは効かない方ですか?」 「う………」 「昼寝しても、夜は普通に寝れる体質なんですか?」 「えっと………」 木手にその気があるのか無いのかは知らないが、秋本にはその質問が尋問のように思えた。 ぬくぬくとした布団を握ったまま昨夜の記憶を追っていると、目の前に昨夜と同じコーヒーカップが差し出される。
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