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知り合ったばかりの他人の家で、信じられないほど深い眠りに落ちた。 木手は呆れているかもしれないが、秋本にとっては奇跡のようなことだった。久しぶりに、気持ちの良い朝日を浴びた気がする。頭がスッキリして、気持ちがいい。 けれどやはり木手には、どこでも眠る手のかかる男、と印象づいてしまったのだろうか。 「……よかったですね、よく眠れて」 イヤミにもとれるその言葉に、手元にやっていた目線を上げると。 「(……あ、昨日の………)」 穏やかな笑顔が、そこにあった。 そして木手は、優しい表情のままベッドの淵――秋本の傍に腰を下ろす。 ギシ、とスプリングが音を立て、体が僅かに斜めに沈んだ。その音と重なるようにして、木手は口を開く。 「俺も、あまり寝ないんですよ。秋本さんみたいに夕方に睡魔がきたりはしないんですけど。子供の頃から1日に4時間くらいしか寝ていなかったので、習慣になって」 「え…体こわすよ」 「……寝れないんですよね。でも、俺も秋本さんと同じです」
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