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お母さんはこの病院で働いている
休みの日のお昼でも、夜寝る時間になっても、私が寝ている時間でも、どんな時でも電話で呼び出される。だから、お母さんと一緒に居られる時間は、そんなにない
最近になって、お母さんは私もここに連れていくことが多くなった
お母さんが仕事をしている間、私は看護師さんがいっぱい居る所に置いてかれる。そこには、私よりも小さい子供もいっぱい居て、私は少しお姉ちゃんだ。それに、まだハイハイしている赤ちゃんを見つめるのはとっても楽しい
だけど、今日は誰もいないから、看護師さんにお願いしてお母さんの仕事を見せてもらうことにした
「ここから先には連れて行けないけど、私と一緒にここから中の赤ちゃんたちを見ていましょう」
たくさんいた看護師さんの中で、一番若いと思う看護師さんが何かのガラスの前にまで連れてきてくれた。そこから中を覗くと、透明な物で作られた籠に、赤ちゃんが眠っている
髪は何かで濡れていて、肌はしわくちゃだったけど、とても元気に泣いているみたい。赤ちゃんが元気に泣いているのを見ると、知らずに気持ちが温かくなる
「お母さんはどこにいるの?」
隣で一緒になって見ている看護師さんに、お母さんの事を聞く
「佐藤さんは、ここに居る赤ちゃんが、生まれてくるお手伝いをしているんですよ」
看護師さんは笑顔になる
看護師さんの言葉を聞いて、私は嬉しくなった
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