はからずしも――人生なんてものは

14/35
前へ
/40ページ
次へ
息を切らせた姿の市川さんが、険しい顔をしていて目が合った ――無言。 妙に緊迫した空気がはりつめて、私達はその場でたたずんだ 額(ひたい)にうっすらと汗を滲ませて。 市川さんは呼吸を整えると、何も話さずに私達を通り過ぎて病室のドアに手をかけた カズくんは、私の手をとると、市川さんの後に続いて、ゆっくりとその中へと入った
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5645人が本棚に入れています
本棚に追加