はからずしも――人生なんてものは

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市川さんはベッドの横で、無言でその姿を眺めて腰掛けた カズくんはそんな二人の姿をただ、一点をみつめるように視線を向けていた 私はその時間が動き出すのを待つしかない 握りしめられたカズくんの手のひらは、段々と汗ばんでいくのに 熱を失っていく どうすることも出来ない――そんな時間が 淡々と過ぎていった
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