はからずしも――人生なんてものは

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二人の掛け合いがあまりにも早すぎたから、息つく間もなかった――というよりも 市川さんの背中が先程からずっと沈黙を決め込んでいたから 私はそれが恐ろしくて 「それだけ話せたら充分だな」 「いちいち来なくたって良かったのに」 「……そうだな」 冷めた二人の会話 立ち上がった市川さんは、私を睨むと赤い目を反らして何も言わずに部屋を出て行った
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