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高校生活も半ばに差し掛かった頃・・・僕は17年間の人生最大のショックを受けた。
「母さん・・・!!
俺の部屋にあったフィギュアは・・・!?」
「えっ? 全部捨てたわよ?」
母親から告げられたその一言は、僕の頭の中を一瞬で真っ白に染め上げた。
「そんな・・・・!!」
思考停止状態の僕に母は続ける。
「いい加減人形なんかに現(うつつ)ぬかしてないで、彼女の一人や二人作りなさい!!」
母親の痛烈なド直球の言葉がまた僕の心に突き刺さる。
そんなことが出来ていれば、こちらも苦労していないのだ・・・。
そんな僕は・・・
容姿、地味。
成績、普通。
性格、根暗。
モテない要素を奇跡的に全て兼ね備えてしまっている『結城 拓都(ゆうき たくと)』なのである。
事の始まりは高校入学時・・・
高校デビューという一番最初の大事なイベントで、盛大にやらかしてしまった僕は、学校で目立たない生徒のレッテルを貼られてしまった。
それからというもの、僕はアニメの世界に逃げ込んだ所謂オタクという人種になった。
そんな僕が苦労して集めた大事なコレクションであるフィギュアをこの日、母の手で全て失ったのである。
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