第1章

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「もしかして」 綾が言う。 「もしかして」 純平も続ける。 「豆大福で解決しようとした……?」 綾が純平の顔をのぞきこむ。 「そう、そのとおり」 純平が笑い出すと綾も続いて笑い出した。 二人でどれくらい、お腹をかかえて笑い続いていただろう。 「似た者同士ってことで」 純平がいう。 「そういうことで。さ、豆大福、食べよっか」 綾は豆大福にかかったラップをはずした。 「うわーっ、めちゃくちゃ旨そう」 「いやいや、めちゃくちゃ旨いから」 「だよな、旨い大福たべようぜ」 「うん!今お茶いれるから」 「サンキュー、でも待ちきれないから一個くっていい?」 「ずるーい、私も食べる!」 二人は皿に行儀よく載った豆大福に手を伸ばし口に入れた。慌てて食べているから、口の回りが真っ白だ。 純平に素直に謝れてよかった。 綾は大福を頬張る純平を見ながらほっとしていた。 それにしてもまさか、二人して豆大福を買いにあのお店へと、買いにいくとは。そう思った綾はニンマリ顔になる。 「なに一人でニンマリしてんだよーー」 純平がもう一個目の大福に手をのばした。 「私も食べるー」 綾ももう一個目に手をのばした。 二人で過ごす今は、綾にとって泣きそうなくらい幸せだった。ずーーーーっと続いてほしい、そう強く願いながら、二個目の大福を綾は幸せそうに頬張っていた。
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