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「もしかして」
綾が言う。
「もしかして」
純平も続ける。
「豆大福で解決しようとした……?」
綾が純平の顔をのぞきこむ。
「そう、そのとおり」
純平が笑い出すと綾も続いて笑い出した。
二人でどれくらい、お腹をかかえて笑い続いていただろう。
「似た者同士ってことで」
純平がいう。
「そういうことで。さ、豆大福、食べよっか」
綾は豆大福にかかったラップをはずした。
「うわーっ、めちゃくちゃ旨そう」
「いやいや、めちゃくちゃ旨いから」
「だよな、旨い大福たべようぜ」
「うん!今お茶いれるから」
「サンキュー、でも待ちきれないから一個くっていい?」
「ずるーい、私も食べる!」
二人は皿に行儀よく載った豆大福に手を伸ばし口に入れた。慌てて食べているから、口の回りが真っ白だ。
純平に素直に謝れてよかった。
綾は大福を頬張る純平を見ながらほっとしていた。 それにしてもまさか、二人して豆大福を買いにあのお店へと、買いにいくとは。そう思った綾はニンマリ顔になる。
「なに一人でニンマリしてんだよーー」
純平がもう一個目の大福に手をのばした。
「私も食べるー」
綾ももう一個目に手をのばした。
二人で過ごす今は、綾にとって泣きそうなくらい幸せだった。ずーーーーっと続いてほしい、そう強く願いながら、二個目の大福を綾は幸せそうに頬張っていた。
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