第1章   意味不明の勇気

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まず、私は弟だってもちろん知っていることなのだが、 改めて「私たちは直也さんにお金を貸しているので、 あまりお金がないこと」を伝えることにした。 それを念押しておこうと思ったのである。 実は、このことを弟に伝えるのだって 私にはとても勇気がいることなのであった。 緊張もする。 なぜなら、私がこういうことを言えば、 「うるさいな」とか 「姉ちゃんは貯金持ってるくせにケチだな」 ということを弟が思うんじゃないかと それを恐れるからである。
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